ご挨拶
「茶寮 和香(さりょう にこか)」の名前の由来は、越中国守として高岡に赴任した大伴家持が詠んだ歌にある「和草(にこぐさ)」に因んでいます。和草とは、新芽や柔らかい草のこと。和はやわらぐ、なごむという意味があり、和食や和の建物にもつながります。この家ではかつて、茶道や香道を楽しまれていた名残があり、日本料理には香りがとても大切です。豊かな文化が息づく金屋町の店として、和と香りの和香と名付けました。
高岡は私の味覚を育ててくれた故郷であり、地元の農家さんが手塩にかけた新鮮な野菜や美味しいお米、富山湾で獲れるとびきりのお魚が手に入ります。
地域のいい食材を使ったお料理や季節感のある器で、少しでもほっと、心をほぐしていただけたなら。
お客さまの笑顔を想像しながら、日々、和香らしい日本料理に思いを巡らせています。
店主 早川勇人
江戸時代の風情漂う金屋町で
江戸時代の風情漂う金屋町で
加賀前田家二代当主、前田利長公によって1609年に開かれた富山県高岡市は400年以上の歴史を誇るまち。なかでも「茶寮 和香」が佇む金屋町は、高岡鋳物発祥の地、職人のまちとして知られ、さまのこと呼ばれる千本格子の伝統的な家屋が建ち並びます。江戸時代の建物が数多く残り、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定。毎年6月には、利長公の遺徳を偲ぶ御印祭(ごいんさい)が行われるなど、伝統を未来へつなぐ試みが、とても活発なまちです。
石畳の通りにある「茶寮 和香」の建物は、江戸時代末期のものと推定される古民家を改装したもの。店内は大きな梁が印象的な吹き抜けが広がり、天窓や通りに面した窓からは、やわらかな光が差し込みます。この地で、先人が築いた歴史や文化から学びながら、高岡らしい日本料理を、お楽しみいただけたらと思います。
一帯には高岡市鋳物資料館やものづくりに携わるお店、ショールーム、クラフトビールの醸造所とタップハウス、そして、宿などもあります。ゆっくりと散策して、金屋町ならではの風情を味わってみませんか。